コロナ禍の真っ只中、看護師1年目の私は上京して一人暮らしを始めました。
でも現実は想像以上に厳しかったんです。
仕事と寮の往復。真っ暗な部屋に一人で帰る生活。
誰とも会話をしない日が続き、メンタルはどんどん追い詰められていきました。
「一人暮らしって、こんなに辛いんだ…」
まだ看護師として走り出したばかり。辞めるなんて考えられない。
それでも、このままでは壊れてしまう。そう思った私は、勇気を出してシェアハウスの内覧に行くことにしました。
偏見と迷いの中で
当時の私の中で、シェアハウスには正直あまり良いイメージがありませんでした。
「一人暮らしができない人が住む場所」という偏見や、知らない人と暮らすことへの抵抗。
でも、それ以上に「誰かと話したい」「社会とつながりたい」「友達が欲しい」という気持ちが強かったんです。
数件のシェアハウスを見学して迷っていたとき、あるオーナーさんから届いた一言が決め手になりました。
「待ってるよ」
その温かいメッセージに背中を押され、私は一週間後には40人規模のシェアハウスで新しい生活をスタートさせていました。
“ただいま”と“おかえり”のある暮らし
初めての共同生活。最初は不安だらけでした。
でも扉を開ければ「おかえり!」と声をかけてくれる人がいる。食卓に行けば誰かと自然に会話が始まる。
それだけで、一人暮らしの時には感じられなかった安心感と温かさに包まれました。
このシェアハウスは母体もしっかりしていて、入居審査があったためか、住人の民度も高かった。
ここで、私は初めて“自由な生き方をしている人たち”に出会いました。
世界が広がった瞬間
ある人はフリーランス。
「今日は気分が乗らないから休む」なんて言いながら、昼間からお菓子作りをしている。
またある人は、自分の会社を経営していて、好きな場所で働いている。
海外をバックパッカーで旅してきた人もいれば、留学経験者も多かった。
そんな人たちの話は、どれも私が知らなかった世界のことばかりで、聞いているだけでワクワクしました。
「人生って、こんなに自由でいいんだ」
「なんで私はこんなに苦しんでまで働いているんだろう?」
それまで“大学に進学して就職するのが当たり前”と思っていた私の価値観が、音を立てて崩れていきました。
シェアハウスがくれたもの
シェアメイトたちはフットワークが軽く、フレンドリーで、コミュニケーション力も高い。
その姿を見て、シャイだった私も少しずついろんなコミュニティに飛び込む勇気を持てるようになりました。
そして気づけば、私はこう思うようになっていました。
**「私も海外に挑戦してみたい」**と。
でも海外生活はハードルが高い。優柔不断な私は何度も葛藤しました。
そのたびにシェアハウスのみんなに相談に乗ってもらいました。
「絶対行ったほうがいい!」
「人生変わるよ」
「深く考えすぎだって。行かない後悔より、行って後悔する方がいい」
そんな前向きな言葉に背中を押されて、私はついにワーホリに挑戦する決断をしました。
本当にあのときの仲間たちに感謝しています。
今ならはっきり言えます。
**「本当に行ってよかった」**と。
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