2023年5月。私は3年間勤めた大学病院を辞め、オーストラリアへワーホリに出発しました。
「なぜ看護師を辞めてまで?」
そう思う人は多いと思います。私自身も、何度も葛藤しました。
コロナ禍で感じた違和感
就職と同時にコロナが流行。病院はコロナ受け入れで毎日が戦場のようでした。
慣れない職場、初めての一人暮らし、そして外出もできない毎日。家に帰っては泣いてばかりで、心がどんどん疲れていきました。
大学時代はバイト代をすべて海外旅行に使うくらい旅が好き。
「いつか海外で暮らしてみたい」という夢はずっとあったけれど、日本のレールに従ってここまで来た私にとって、「辞めて海外へ行く」なんて選択肢は当時ありませんでした。
病棟での出来事
私が勤めていた病棟には、がんで入院される患者さんが多くいました。
しかも、まだまだ働き盛りの30〜40代の方も多く、予後が長くない方ばかり。
「結婚したばかりなのに、もっと一緒に過ごしたかった」
「子どもがまだ小さいのに残していくのがつらい」
「もっとやりたいことがあったのに」

みなさん、突然の病気で生活が一変し、涙を流しながらそう話してくれました。
私は新人で、できることは限られていました。だからこそせめて「話を聴く」ことを大切にしていました。
すると、患者さんはよくこう言ってくれたんです。
「今のうちに自分のやりたいことをやりなさい。後悔しないようにね。」
その言葉の数々は、深く私の心に刻まれました。
自分の人生を見つめ直す
2年目を過ぎた頃、少しだけ仕事にも余裕ができたとき、ふと思いました。
「看護師になることがゴールだったけれど、それはもう叶えてしまった。この先の私の人生って?」
看護師はやりがいがあったし、患者さんと向き合うことは好きでした。
でも、夜勤を繰り返して体はボロボロ。人生を楽しんでいるとは言えませんでした。
そして気づいたんです。
「人はいつ病気になるか分からない。明日が来るとは限らない。だったら、私もやりたいことをやろう」と。
ワクワクする方へ
そんな時、ちょうどオーストラリアのワーホリ募集再開のニュースが。
20代しか使えないビザ。「今行かないと絶対後悔する」と思いました。
もちろん不安はありました。海外生活の経験もないし、英語もまだまだ。
でも、看護師の資格は私にとって「いつでも戻れる」というお守りでした。
そして決めました。
「ワクワクする方へ進もう」と。
実は海外に出ようと思ったきっかけは、もうひとつ。
東京で暮らしたシェアハウスでの出会いも、大きな影響を与えてくれました。

その話は、また次回に😊✨
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